森林セラピーとは 奥多摩の森林セラピー セラピーロード アシスター 癒宿(ゆやど)の紹介

森林セラピーとは

森に足を踏み入れると、一面に緑が覆い、木々や土が香り、森に息づくいのちや力を感じることができます。そしてその森は私たちを癒し、リラックスさせてくれます。

森林の持つこれらの癒し効果は、これまでも「森林浴」として親しまれてきました。しかし、「森林浴」の効果については感覚的にしか語られてきませんでした。一方で、現代社会ではストレスが大きな問題になっており、さまざまなストレス解消方法が求められるようになっています。そこで、この「森林浴」の効果をこころと身体の健康に活かそうという試みが「森林浴」から一歩進んだ「森林セラピー」です。

森林セラピーのなりたち

この森林浴の効果研究のために2004年に産・官・学が連携して発足した「森林セラピー研究会」では、森林のもつ「癒し」効果の科学的解明や、森林の「癒し」効果の活用方法等に関する研究などを進めました。さらに翌年、この研究会の成果を踏まえて、具体的な森林のフィールドでの実践を普及することを目的として創設された「森林セラピー実行委員会」で、生理・心理・物理実験等により、「癒し」効果の検証等がなされた森を「森林セラピー基地」「森林セラピーロード」として認定してきました。2008年からはNPO法人森林セラピーソサエティがその役割を担い、森林セラピーの普及・広報、人材育成、森林セラピー効果の科学的検証、フォーラム・セミナーの開催など活動の幅を広げています。2011年には自然と森林に関する国際医学会であるINFOM(International Society of Nature and Forest Medicine)が立ち上げられ、日本の研究者たちにより解明されてきた、森林が人体に与える予防医学的(癒し)効果について国際的に成果を共有し、共働で研究の発展及び広報活動を行うまでになりました。

実験で得られている効果

生理・心理・物理実験を、都市部と森林部で行った結果、唾液の中のコルチゾールという「ストレスホルモン」が都市部に比べ、森林では濃度が低くなるということがわかりました。

また、心拍の「ゆらぎ」の測定で、森林ではストレスの高い時に高まる「交感神経活動」が抑制され、リラックスした時に高まる「副交感神経活動」が昂進するということ、さらに脳の前頭前野の活動が鎮静化しリラックスすることがわかりました。奥多摩町では、奥多摩湖畔のいこいの路(森林部)と立川駅前(都市部)で実験を行いました。

免疫機能についても2泊3日の森林浴でNK活性(ナチュラルキラー活性)が高まることがわかりました。[李卿氏(日本医科大学)らの研究による]

NPO法人森林セラピーソサエティーウェブサイト

森林セラピーが生み出す健康効果
 

人類の誕生からずいぶん長い間、人々は自然の中で生活をしていました。現代では都市を中心に生活する人が増えていますが、人工的な環境の中での生活は、気付かぬうちに、さまざまなストレスを生んでいます。自然の中で発達してきた人間にとって、森林に足を踏み入れるということは"人に適した優しい環境の中に身を置く"ということなのです。

このことを考えると、森林浴で気持ちがリラックスすることはもちろん、実際に身体の免疫力が上がり、血圧が低下するなどの科学的な効果が見られることも、ごく自然なことだと言えるのではないでしょうか。


奥多摩の森林セラピー

新宿駅から中央線→青梅線へと乗り継ぎ、終点まで約2時間。東京都の最西部「奥多摩町」は全域が秩父多摩甲斐国立公園に含まれる広大な森林と渓谷に恵まれた町です。奥多摩駅に降り立つと、ぐるりと山に囲まれた山地帯。この自然の中で心も身体もリフレッシュしていただくため、奥多摩ならではの癒しの時間をご提供します。
奥多摩町では森林セラピーロード5か所が認定を受け、それぞれのロードの特色を生かしてツアーにするほか、登山道や林道、旧街道、木こりの仕事みち、生活道なども地域資源として活用しながら企画を行っています。基本となるガイドウォークと、様々なサブプログラムも組み合わせながら、奥多摩をお楽しみいただければ幸いです。

モデルツアー

10:00
奥多摩駅 集合
10:05-10:40
ガイダンス・血圧の測定(オプション)
スケジュールの確認とオプションメニューで血圧の測定が行えます。
10:40-12:15
ガイドウォーク(奥多摩駅→氷川渓谷→登計トレイル)
森林セラピーアシスター(ガイド)により、認定を受けた森林セラピーロードや奥多摩の森をご案内します。お客様一人一人を大切にし、ストレス解消しやすいよう、またしっかり安全に歩けるよう少人数制で歩きます。奥多摩駅から出発し、多摩川沿いの氷川渓谷を歩きながら登計トレイルへ向かいます。
12:15-13:00
昼食
町内のお店で作ったお弁当をお召し上がりいただきます。歩く場所によっては奥多摩のレストランなどに立ち寄るツアーもあります。
13:00-15:00
ガイドウォーク(香りの道・登計トレイル)
ランドスケープデザインを活用して設計された森林セラピー専用のロードです。
ガイドウォーク中に「森のティータイム」「奥多摩式森林呼吸法」を実施します。「森のティータイム」では、奥多摩森林セラピーオリジナルブレンドハーブティーと手作りクッキー(地元の団体タンポポ)でくつろぎの時間を。「奥多摩式森林呼吸法」は、医師の服部幹彦先生監修の呼吸法で、森林からのフィトンチッドを積極的に摂取し、健康増進を図ります。
15:00-15:20
アンケート・血圧の測定(オプション)
15:20-15:30
移動(送迎車) 解散(奥多摩駅)
 

セラピーロード

生理・心理実験によって癒しの効果が実証され、森林セラピーに適した道として認定されたロードのことです。
奥多摩のセラピーロードは全5コースあり、森林セラピー専用コースとして設計された「香りの道 登計トレイル」をはじめ、湖畔沿いのフラットなコース「奥多摩湖いこいの路」、渓谷沿いのコース「鳩ノ巣渓谷遊歩道」、旧街道「奥多摩むかし道」のコース、一般登山道を利用した「百尋ノ滝探勝路」など、手軽なものから本格的なものまでバリエーションがあります。

香りの道「登計トレイル」

コース約1.3km、高低差50m、一部舗装・バリアフリー、森林セラピー専用ロードとして全国初。車椅子のモノレールも設置。

コースの特徴
日本初の森林セラピー専用ロードです。JR青梅線「奥多摩駅」からも氷川渓谷を経て徒歩20分ほどでアクセスが可能です。
コースのなかには森林でゆっくりと滞在ができるように、ヨガや座禅ができる広場やセルフカウンセリングを行う施設、小屋(ステーション)など多彩なメニューを行うことができる設備が整備されました。
また、体が不自由な方にもご利用いただけるよう「車椅子用モノレール」も設置しており、眺望の良い所までご案内も可能です。(モノレール利用は有料要予約:事前にお問い合わせください)

奥多摩観光協会

氷川・登計周辺MAP

奥多摩湖いこいの路

コース約12km、高低差36m、未舗装、バリアフリー約2km、湖畔沿いの天然林とスギ・ヒノキが混在するフラットコースで起点に小河内ダム~終点に山のふるさと村がある。

コースの特徴
奥多摩湖を半周する平坦なコースです。自然林を中心に多様な植物や動物が生息している良好な自然環境が残されており、新緑や紅葉などそれぞれのシーズンで楽しんでいただくことができます。
また、ベンチや東屋・トイレ(起点・終点・中間点)も設置されており、ゆっくりくつろいでいただくことができます。
終点には「山のふるさと村」が設置されていて、そば打ちや陶芸・木工などの体験もできます。レストランも併設。
12月~3月までは冬季通行止めとなります。
個人で歩かれる場合は山のふるさと村までの路線バスがありません。最寄りのバス停「小河内神社」は山のふるさと村から「湖畔のこみち」を2.5㎞ほど歩き、浮橋を渡った先にあります。

東京都水道局

奥多摩湖いこいの路info

奥多摩むかし道(旧街道)

コース約9km、高低差264m、一部未舗装、甲州までの旧道のコースで、巨樹や渓谷の他、神社や道祖神、吊り橋やダム建設時の廃線など、歴史にも触れられるコース。

コースの特徴
江戸から甲州を結ぶ旧街道で、多摩川沿いを奥多摩駅から奥多摩湖付近まで歩くコースです。コース近くの青梅街道を路線バスが通っているので、アクセスも良く、また、時間に応じて途中まで歩くことも可能です。
旧街道のため、神社や道祖神・馬頭観音など歴史的な景勝地が多くあります。 また、コース中には「三本杉」「槐木」など巨樹もあり、四季それぞれに美しい風景を醸し出しています。 終点付近には、森林や水について学ぶことができる「水と緑のふれあい館」があり、奥多摩の四季を撮影した3Dシアター、レストラン、おみやげ店も設置されております。

奥多摩観光協会

奥多摩 むかし道MAP

鳩ノ巣渓谷遊歩道(湖畔・渓谷沿い)

コース約2.5km(鳩ノ巣~海沢)、高低差68m、未舗装、鳩ノ巣渓谷、白丸湖、数馬峡など湖畔と渓谷沿いで、駅からのアクセスも良く気軽に楽しめるコース。(大多摩ウォーキングトレイルと重複)

コースの特徴
多摩川の鳩ノ巣渓谷と白丸湖畔を、JR青梅線「鳩ノ巣駅」から「白丸駅」を経て、海沢地区へ至るコースです。駅からのアクセスも良く、大変人気のあるコースの1つです。途中、白丸湖ダムサイト付近には、日本最大級のトンネル式魚道があり、運が良ければ魚が遡上する様子も見学することができます。

川苔谷・百尋ノ滝探勝路

コース片道約1.8km(細倉橋~百尋ノ滝)、高低差170m、未舗装、奥多摩を代表する滝「百尋ノ滝」を訪ねるコース。

コースの特徴
日本水源の森百選の1つであり、奥多摩を代表する「百尋ノ滝」まで至る渓流沿いの美しいコースです。春の新緑や秋の紅葉はもちろん、夏は滝つぼのそばで感じる涼風、厳冬は氷瀑の姿など、四季折々楽しむ事ができます。川苔山へとアクセスする本格的な登山コースで、奥多摩の山の中でも人気の高いルートですが、基本的な登山装備が必要です。また、個人で行く場合は川苔山登山と同じく、日原鍾乳洞行きのバスを途中降車、林道を1時間ほど歩き細倉橋から登山道へ入ります。奥多摩の山は急峻な地形も多く、遭難事故も発生している地域ですので、ゆとりをもった登山計画を立て、登山地図をご用意ください。また、奥多摩駅改札前に登山届の提出場所がありますのでご利用をお願いいたします。

奥多摩町森林セラピーアシスター

アシスターとは?

奥多摩町実施の「森林セラピーアシスター養成講習会」を受講、及び「検定試験」に合格した、自然・郷土史・医療等の知識を備えた認定ガイドです。アシスター全員が上級救急救命以上の資格を有している他、様々なユニークな資格を持ったアシスターもいます。森林セラピーのガイドに加えて、バードウォッチングや登山、ヨガ、アロマの講師、鍼灸師など各個人のスキルを生かしたツアーもあり、個性豊かなアシスターとの出会いも魅力の一つです。
アシスター在籍34名(2024年4月時点)。

※アシスターの募集は不定期で募集の際は当ウェブサイトでお知らせいたします。


癒宿(ゆやど)の紹介

癒宿(ゆやど)とは?

森林セラピーの宿泊施設として、くつろぎと癒しの空間、セラピー向けのお食事でおもてなしをいたします。

宿名
区分
エリア
旅館 玉翆荘
旅館
奥多摩駅周辺
山鳩山荘
民宿・国民宿舎
鳩ノ巣駅周辺
奥多摩の風 はとのす荘
旅館
鳩ノ巣渓谷周辺
民話の宿 荒澤屋旅館
旅館
奥多摩駅周辺

旅館 玉翠荘

JR奥多摩駅から徒歩3分と立地条件もよく、眼下に多摩川を見下ろす眺望の良い客室は、お客様がきっと寛ぐことが出来るはずです。奥多摩産のお野菜、川魚をたっぷり使ったお料理も好評を得ております。

・奥多摩町氷川160

・Tel 0428-83-2363

・ウェブサイト https://okutama-gyokusuisou.com/

山鳩山荘

山鳩山荘は、小さな質素な宿です。中高年の登山者やトレッカーの方に、利用していただきたい、と思っています。大学生のゼミの合宿では、山村の暮らし(文化)に触れるプログラムを提案しております。

・奥多摩町棚沢776

・Tel 0428-85-2158(カフェ山鳩)

・ウェブサイト http://yamabatonosu.com/

奥多摩の風 はとのす荘

鳩ノ巣渓谷沿いにある旅館。平成27年5月全館建替えを行いました。
食事は四季折々の地元食材をふんだんに使用したイタリアンフルコース。
鶴の湯温泉を使用した大浴場からの渓谷美は絶景です。

・奥多摩町棚沢662

・Tel 0428-84-7123

・ウェブサイト http://www.okutamas.co.jp/hatonosu/

民話の宿 荒澤屋旅館

温泉で温まる。季節の田舎料理を味わう。囲炉裏端で催される語り部による奥多摩民話の夕べを楽しむ。ふるさとの温もりをゆったりとお楽しみください。

・奥多摩町氷川1446

・Tel 0428-83-2365

・ウェブサイト http://arasawaya.co.jp/